オリーブ・キタリッジの生活
2012年 05月 25日
オリーブ・キタリッジの生活エリザベス・ストラウト著
小川高義訳
アメリカ北東部の小さな港町クロズビー。一見静かな町の暮らしだが、そこに生きる人々の心では、まれに嵐も吹き荒れて、生々しい傷跡を残す―。穏やかな中年男性が、息苦しい家庭からの救いを若い女性店員に見いだす「薬局」。自殺を考える青年と恩師との思いがけない再会を描いた「上げ潮」。過去を振り切れない女性がある決断をする「ピアノ弾き」。13篇すべてに姿を見せる傍若無人な数学教師オリーヴ・キタリッジは、ときには激しく、ときにはささやかに、周囲を揺りうごかしていく。ピュリッツァー賞を受賞した珠玉の連作短篇集。
オリーブ・キタリッジ。彼女に近づいてみたり、離れて眺めてみたりしているうちに、いつの間にか彼女のペースにのせられていました。人はいろいろな一面を持っているとは言いますが、教師としての一面や、子供から見た一面、ご近所さんに見せる一面などなど、こうも上手く表現できるとは。いやはや面白かったです。誰しも反発しながらも共感しあい、自分の経験が正しいと相手に強要したり、妥協したりするものですよね。思えば世の中理不尽なことばかりと、ため息が出ます。それでも彼女の物語の最後の思いに大いに救われ、すかっりオリーブに魅せられてしまいました。
しかし、身近に、こういう性格のオバサン(おばあさんですかね。)いますよね。現実にもいそうな感じの彼女が、老いるという変化を切なくも暖かく感じさせてくれるのですからたまりません。いやー、身にしみる物語でした。
# by umekononikki | 2012-05-25 19:38 | 本
土地
完全版ではなく青少年向きに縮められたダイジェスト版の完訳のためか、読み物としては物足りなさを感じます。しかし読後の今では、完全版が読みたいと思うくらいの高邁な物語でした。国があり、歴史があり、そこで生きる人々がいる。そんな大きな懐に包まれた物語で、非常に読み応えがあります。
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2012年5月5日こどもの日。京都の細見美術館へ行ってきました。
知恩院を後にし、本日の目的地、細見美術館へ。小ぢんまりとした美術館で、いつ行っても来館者が少なく(失礼!)、誰にも邪魔されず、自分の世界に浸りながら鑑賞できる美術館という印象がありました。が、この日は違っていました。入り口のところで、ささやかな入場制限。「ちょっと待ってね。」というくらい、少しの時間待たされました。中に入るとこれまで見たことのないくらいの来館者の多さ。といっても、大きな美術館の様な人と人の合間から覗き込むほどではないのがいいところ。抱一の世界を堪能してきました。なんと言っても、その上品さ!私には到底持ち合わせていないような、繊細で、静かで、優雅な世界。面白かったのは、尾形光琳の「燕子花図」を模したもの。他に鈴木其一などの作品もありました。
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