展覧会と本と韓国ドラマと時々K-POPかな・・・。

by 梅子

ボルゲーゼ美術館展

f0149664_20461264.jpgボルゲーゼ美術館展
京都国立近代美術館


昨年末、京都の平安神宮前にある京都国立近代美術館へ、暴風の中行ってきました。本当に寒い日だったわ。


展覧会のHPによれば、イタリア・ローマ市北東部のボルゲーゼ公園にあるボルゲーゼ美術館は、名門貴族であったボルゲーゼ家歴代のコレクションで、ルネサンス・バロック美術が中心となっているそうです。確かに、展覧会の内容をみてもさすが名門貴族と納得。調べてみると、19世紀にナポレオン・ボナパルトがその所蔵品の多くをルーブル美術館に移してしまうという事件もあったそうです。当時のボルゲーゼ家は危機的経済状況であったことと、当主の妻がナポレオンの妹だったことが要因。それでも、数多くの優品が残されているので、当初、どれだけの所蔵品があったことかと思わされます。


以下、HPの解説を引用しながら感想を。

ジャン・ロレンツォ・ベルニーニ[1598-1680]
《シピオーネ・ボルゲーゼ枢機卿の胸像》
教皇パウルス5世の甥であり、17世紀のローマを代表するパトロンであった枢機卿シピオーネ・ボルゲーゼ。ベルニーニの後援者でもありました。ローマ教皇庁の最高顧問として権力を握り、情熱的な収集家であったシピオーネ。その相貌には、自信に満ちた風格が感じられます。

美術館の建物は、シピオーネが夏の別荘用に建てたもの。なんとも羨ましい限り。私もこんな建物で避暑してみたいわ。
もとい、ベルニーニの彫刻は、今にも口から自信に満ちた言葉を話し出しそう、もしくは、余裕の咳払いとか、自信に満ちた笑い声でもいいかも。バロックの巨匠だけあって、胸像であっても今にも表情が動き出しそうに感じます。


ラファエロ・サンツィオ [1483-1520]
《一角獣を抱く貴婦人》
画家20代前半の作品です。安定した構図と精妙な描写からは、若き天才の驚くべき手腕を認めることができるでしょう。「貞淑」の象徴である一角獣(ユニコーン)を抱いていますが、かつては別人により一角獣をぬりつぶされ、ある聖女像に描き変えられていました。20世紀に行われた修復の結果、本来の姿を取り戻しました。

チケットの作品ですね。「ラファエロ」と聴くだけでなんだかワクワクしながら、この展覧会に脚を運びました。ルネサンスの代名詞的な画家のひとりですもの。37歳で早世したあたり、天才らしいと感じさせられます。そんな天才の作品らしく、「安定した構図」と一言で終わってしまいますが、定規などでは測れない感覚的な安定感とでもいいましょうか。その上、とても洗練された画面は、どれだけ観ても観飽きず、どれだけ眺めていても満足できるものでした。


サンドロ・ボッティチェリ [1445-1510]とその弟子たち
《聖母子、洗礼者ヨハネと天使》
工房で弟子と共に制作された作品です。聖母マリアと幼児のキリストを中央に、跪く洗礼者ヨハネと6人の天使が複雑に配されています。聖母マリアに抱かれたキリストは、右手で祝福のポーズを取り、左手にザクロを持っています。数多くの実をつけるザクロは「豊穣多産」や「復活」の象徴とされました。

ちょうど辻邦生の「春の戴冠」を読んでいたので、この作品を観て気分が高揚。「サンドロ~、素晴らしいよ~。」と、心の中で称賛の拍手。
個人的にボッティチェリの作品の多くは、何か暗号めいたものが隠されているような魅力があるように思います。有名な「春」や「ヴィーナス誕生」の解説の多くが、そこに意味があるように書かれているからでしょう。しかし、そこに意味を見出したくなるような神秘があるのもまた事実。観る人を引き付けて離しません。


カラヴァッジョ [1571-1610]
《洗礼者ヨハネ》
38歳で亡くなったカラヴァッジョ最晩年の一点です。口論の末に殺人を犯し、逃避行のなかで描かれた本作品は、恩赦のとりなしを期待して、パトロンであった枢機卿シピオーネ・ボルゲーゼへ贈られる予定であったといいます。しかし枢機卿が絵を手にしたのは、画家が短くも波乱に富んだ生涯を閉じた後のことでした。ドラマチックな光によって暗闇から浮かび上がるヨハネは、けだるそうな雰囲気を漂わせ、妖しい魅力をたたえています。

カラヴァッジョ―最近映画にもなり話題ですよね。天才的なデッサン力でリアリティを追求した作品は、当時衝撃的だったようです。現代でも、その作品は新鮮というか斬新に感じられます。
《洗礼者ヨハネ》、この作品はかなり大きく、美術館の天井が低いせいか、どうもライトが表面で反射して見づらかったのが残念。近づいてみたり離れてみたり、斜めからみてダメなら、しゃがんでもみた・・・。でも、どうしてもライトの反射で全体がハッキリ観えないのよね~。
そんな苦労も、この作品の前ではなんのその。逃避行の中で描かれたとなると、どんな心情だったかと思います。恩赦のとりなしを期待して描かれた割には暗く、天才的な実力を持ちながらも、激情的な性格のため十分な報酬や名誉を得ることができない不条理というか、どうして?という思いが出ているのでしょうか。
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by umekononikki | 2010-03-22 20:49 | 展覧会