展覧会と本と韓国ドラマと時々K-POPかな・・・。

by 梅子

インディアナ、インディアナ

f0149664_953142.jpgインディアナ、インディアナ
レアード・ハント著 柴田元幸訳

年老いて病んだひとりの男の人生の、深い喪失感と淡いユーモアが限りなく美しい小説と、本の紹介にあります。そしてなにより、ポール・オースターが絶賛している本です。


目前に本があります。本の装丁にタイトルから、内容を想像して本を開き、「どんな物語なのだろう!」とワクワクしながら、読みはじめます。そこには、ありとあらゆる世界が用意されています。

この「インディアナ、インディアナ」ですが、子供の宝石箱のような、純粋な煌めきが詰め込まれているようです。この物語の主人公ノアがコレクションした物の様な、大人には価値の無い物でも、子供にとっては美しく見えたり驚きがあったりするものがあります。大人になっても美しく感じる物もあれば、気持ち悪いものもあります。大人になって何かが変わったから、価値が見出せなくなったのでしょうか。純粋さを失うとか、知識が付いたからと単純に片付けたくない、説明のつかないこれまで持っていたはずの価値観の喪失。
物語は断片的で、登場人物たちの関係も、おおよその推測しか付きません。絵画に描かれた人物からは注釈が付いていなくても、色や雰囲気、ポーズから文字で表す以上の多くの事柄が読み取れます。そして、想像できます。同様に物語の筋よりも、想像する情景や感情や感覚が美しく、理屈じゃないんだよなぁと感じました。

何より小難しいことは考えず、子供の様に単純に感じる感覚を取り戻すことのできた、素敵な物語でした。
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by umekononikki | 2010-12-21 09:05 |