展覧会と本と韓国ドラマと時々K-POPかな・・・。

by 梅子

永遠の0

f0149664_974449.jpg永遠の0
百田尚樹著

カミカゼ特攻隊だった祖父。戦争で死んだ祖父・宮部久蔵は、どんな人だったのか?司法試験に失敗した孫の佐伯健太郎と、フリーライターの姉・佳子が、祖父の足跡をたどります。

あの戦争は、何だったのか。
それぞれの想いに、胸を締め付けられるようでした。
戦争という大きな流れの中にいる個人に、物語の焦点が当てられています。戦後60年以上が過ぎ、現在、世界各地の戦争が映画のワンシーンの様にニュースで報じられています。そこに生身の唯一の命が多数あることが、どうしても感じられにくいとはよく言われています。そんな個人に焦点をあてた、この切り口は新鮮でした。しかも、宮部久蔵の魅力的なこと。
戦争に対して改めて考えさせられるのはもちろんです。しかし物語としても、単に戦争の悲惨さだけでなく、宮部という人物の生きざまが素晴らしい。戦争物と言うだけで胸が重くなりがちですが、一筋の希望の光がさしたような読後感です。現在、日本は戦争こそしていませんが、強く「生きたい」と思わせるエネルギーの様なものが希薄に感じます。政治が社会が悪いと、何でも他人のせい。とりあえず死ぬまで生きていれればいいか的な無気力。宮部は戦争という逆らうことのできない大きな流れの中でも、「生きたい」と強く願います。「宮部」という人物はフィクションかもしれませんが、戦争は事実。そんな先人たちの作った歴史の上に私たちは立っているとおもうと、背筋が伸びる思いです。
不景気で日々の生活に追われていながらも、恵まれた時代に生きているのです。宮部の様に、まっすぐに力強くいたいものだと思いました。
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by umekononikki | 2011-01-13 09:07 |