展覧会と本と韓国ドラマと時々K-POPかな・・・。

by 梅子

昼の家、夜の家

f0149664_11165379.jpg昼の家、夜の家
オルガト・カルチュク著
小椋彩訳

ポーランドとチェコの国境地帯にある小さな町、ノヴァ・ルダ。そこに移り住んだ語り手の日々。

小さな物語が、連綿と続きます。
語り手の自己紹介から、夫、友人、知り合いについて。その街で起こった出来事。過去の出来事。逸話。夢。料理のレシピ。その世界観は、大人向けに作られた絵本のよう。美しくもあり、醜くもあり、ユーモアも毒もあるような。これはかなり好きな感じの物語。私的に、「ぐっ」ときたものを集めた宝石箱のようです。そう「ぐっ」と来た物で必ずしも宝石だけじゃなく、石ころやお菓子の包み紙も含んだ物です。いつまでも眺めていたくなるような、とりとめのない時間に浸っていたくなります。
ポーランドは、これまで国境線が不安定に揺れ動き、舞台となった町ノヴァ・ルダもその影響を受けてきました。その不安定さを、この町の情景を通じて具象化した物語とでも言うのでしょうか。常に他者に振り回されているようで、実は何にも属さず、何も明確ではないという自由があるのかもしれません。
読み終わった後から、再び最初から読み始めたいと思う、とりとめのない魅力にすっかりとりつかれてしまいました。
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by umekononikki | 2011-01-24 11:17 |