展覧会と本と韓国ドラマと時々K-POPかな・・・。

by 梅子

三四郎、それから、門

f0149664_9134934.jpg三四郎、それから、門
夏目漱石著

学生時代の夏休みの宿題だった、前期三部作と後期三部作。(「吾輩は猫である」「坊ちゃん」「草枕」を前期、「三四郎」「それから」「門」を中期、「彼岸過迄」「行人」「こころ」を後期三部作ということもあります。)もちろん遊び呆けていた私は読むこともなく、解説だけ読んで読書感想文を提出しました。読んでいない事が一目瞭然の感想。よく先生は点数をくれたものだと、改めて反省。年末年始、実家の部屋の掃除をしていて、当時買ったこれらの文庫本が出てきたので読んでみました。他にも当時、宿題として出された文庫本が沢山出てきたなぁ。国北独歩『武蔵野』、二葉亭四迷『浮雲』、有島武郎『ある女』などなど、当時課題だったけど未読の本たち。これから徐々に読んでいこうっと♪

そんな訳で、購入から20年後に読みました。(^_^;) お陰で、同じ表紙の画像が探し出せず「門」だけは現在のものです。
「三四郎」はもちろん三四郎が主人公。九州から東京の大学に出てきた青年。美禰子という女性に思いを寄せるが、まぁ情けない。一郎でもなく次郎でもなく三四郎ってところがいけなかったのか、女性にも友人にも中途半端な態度しかとれず、不甲斐無いんだけど憎めない。青年から大人へ成長の狭間だからか、地方から都会へ出てきた戸惑いからなのか。でも、そんな微妙な感じが良かった。乱暴ですが、どうでもいいような場面に結論の無い会話が続きながらも、この世界観は居心地がいい。新しい世界に、新しくできた知り合いたち。嫌われないための当たり障りのない対応って、誰にでも経験があるからかもしれません。
「それから」。あらゆる意味での「それから」。
淡い青年の恋から、今度は大人の揺れる恋心といったところでしょうか。代助は、友人の妻・三千代との恋に悩みます。実業家の父の支援のもと恵まれた生活を送る代助が、全てを捨てて恋を選ぶ。そんな傍から見れば「何を考えているのだ。」と叱責したくなるような、定職もなく、父親の援助で生活し、実家へは兄との関係が芳しくないために近づきたがらない生活。そんな人間が「恋」に走っても上手くいくはずが無い。これまた「三四郎」より不甲斐無い。いいのか代助~!?そんな代助の「どうしようもないっぷり」を楽しみました。
それからの後の「門」。
二人だけで生きていかなければならない、宗助と御米の間に流れる空気感が素晴らしい。春が来ても、冬が来ても、ひっそりと暮らす二人の距離は変わらないような、多くを求め過ぎないささやかな幸せが良かったです。三部作の中では、私はこの作品が一番好きですね。

こうして読んでみると、意外とアダルトな内容だったんですね。もし当時真面目に読んでいたとしても、ヘビメタにトチ狂っていた私には、きっとこの良さは掴めなかったでしょう。大人になってから読んで、良かったということにしておこうっと。
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by umekononikki | 2011-02-04 09:13 |