展覧会と本と韓国ドラマと時々K-POPかな・・・。

by 梅子

フライデーあるいは太平洋の冥界・黄金探索者

f0149664_10584844.jpgフライデーあるいは太平洋の冥界
ミシェル・トゥルニエ著
榊原晃三訳

黄金探索者
J・M・G・ル・クレジオ著
中地義和訳
(池澤夏樹=個人編集 世界文学全集2-9)

「フライデーあるいは太平洋の冥界」
本の紹介より。
ロビンソン・クルーソーとフライデーのもう一つの物語。
南海の孤島で遭難したロビンソンは、島を開拓し、食糧の備蓄に努めます。しかし野人フライデーの登場により崩壊。文明と野蛮を双子の様に描いた哲学小説。
哲学小説とあり、少々構えぎみで読みました。なんだか堅苦しい文章が、ロビンソンの孤島での奮闘ぶりをいかにも高尚な事の様に感じさせます。しかし文明は孤独を救ってくれることは無く、フライデーのとの出会いから、ロビンソンの行いが変わってきます。
ロビンソンが孤島で過ごした時間の長さと、フライデーが文明を感じた時間の長さが、二人の運命に決定的なものを与えたのかもしれません。文明の中にあっても、時間だけ巻き戻すことのできない残酷さの様なものを感じました。

「黄金探索者」
本の紹介より。
失われた楽園を取り戻すため、父の遺した海賊の地図と暗号文を手掛かりに、終わりなき財宝探索の旅に出ます。2008年ノーベル文学賞受賞作家による、魅惑に満ちた自伝的小説。
美しく悲しい物語。古き良き時代の映画を観ているような、現代社会とは相反する明確に答えようのない幸福感を味わいました。インディー・ジョーンズのような冒険物語かと思いきや、こんなにも静かで美しいとは・・・。描きだされる情景の素晴らしさ。黄金探索だけに終わらない、一人の青年の物語に、純粋に何かを求める心の煌めきが残りました。しばらくこの余韻に浸っていたいと思います。
[PR]
by umekononikki | 2011-02-08 10:58 |