光媒の花
2011年 02月 10日
光媒の花
道尾秀介著
6作からなる連作群像劇。
認知症の母に自殺した父、両親が共働きの兄妹、少女を非常な現実から救えなかった少年、両親が離婚した少女など、どの物語にも寂しい現実を抱えた人物が登場します。そんな現実の中、何かを守ろうとする姿に心が打たれます。そして、それぞれの物語の登場人物がニアミスの様に交差し、6作の物語が繋がっていきます。
どの物語にも、家庭に問題を抱えた人たちが登場し、近年の日本の世相を感じることができます。テーマは暗いのですが、希望が感じられる展開です。それぞれの物語が繋がるように、希望も連鎖しているかのよう。
核家族化といわれたのは遠い昔となり、核家族が細分化され「孤独」状態。孤独死、果ては両親の生死さえも子供が知らないことも少なくありません。親子、兄弟、夫婦といった「家族」という関係は、他の人間関係とは一線を画した関係です。そんな「家族」の中で起こる悲劇に対しても、物語の様に希望の連鎖の光があたって欲しいという祈りの様なものを感じました。
道尾秀介著
6作からなる連作群像劇。
認知症の母に自殺した父、両親が共働きの兄妹、少女を非常な現実から救えなかった少年、両親が離婚した少女など、どの物語にも寂しい現実を抱えた人物が登場します。そんな現実の中、何かを守ろうとする姿に心が打たれます。そして、それぞれの物語の登場人物がニアミスの様に交差し、6作の物語が繋がっていきます。
どの物語にも、家庭に問題を抱えた人たちが登場し、近年の日本の世相を感じることができます。テーマは暗いのですが、希望が感じられる展開です。それぞれの物語が繋がるように、希望も連鎖しているかのよう。
核家族化といわれたのは遠い昔となり、核家族が細分化され「孤独」状態。孤独死、果ては両親の生死さえも子供が知らないことも少なくありません。親子、兄弟、夫婦といった「家族」という関係は、他の人間関係とは一線を画した関係です。そんな「家族」の中で起こる悲劇に対しても、物語の様に希望の連鎖の光があたって欲しいという祈りの様なものを感じました。
by umekononikki
| 2011-02-10 09:25
| 本