展覧会と本と韓国ドラマと時々K-POPかな・・・。

by 梅子

レクイエム

f0149664_10475529.jpgレクイエム
アントニオ・タブッキ著
鈴木昭裕訳

ひとりの男がリスボンの街を彷徨いながら、死者と語り合う幻想の世界。
こんな風に、死者と語り合う事が出来れば素敵だと感じます。私にはこれまで大切な人を見送った経験が無いのですが、会った事の無い祖父母はどんな人だったのだろうと想像することがあります。災害により写真は失い、容姿でさえ想像するしかありません。ある日ひょっこり夢の中にでも出てきて、何か話せたらなんて思うこともありました。この物語は、そんな夢を具象化したようです。
7月の灼熱の昼下がり。その暑さに目がくらみそうな中、死者と出会い語り合います。幻想と現実の狭間で、死者とかわされる会話も様々。意味のあるような無いような出来事。ラコステのポロシャツのニセモノとホンモノなんてことまで、何かを暗示しているように思えてしまいます。(私もラコステのポロシャツを持っているし、一応本物だしってことで印象的に残ったシーン。)死者と語り合う割に、どこかユーモラスで不思議な世界観は心地よい物があります。しかし心地よさに身を任せていると、気が付いたら死者の世界に連れていかれそうですね。
[PR]
by umekononikki | 2011-02-16 10:48 |