展覧会と本と韓国ドラマと時々K-POPかな・・・。

by 梅子

バウドリーノ

f0149664_90521.jpgバウドリーノ
ウンベルト・エーコ著
堤康徳訳

時は十字軍の時代。神聖ローマ帝国皇帝フリードリヒの養子となった農民の子バウドリーノが語り出す数奇な生涯。
この時ばかり、住んでいる場所が田舎であることを感謝したことはありません。図書館で予約をしなくても、借りることができました。都会生活の友人はまだ借りることができていないようで、少しの優越感を覚えます。
さて、物語。主人公バウドリーノは、皇帝に気に入られ養子となります。語学の天才でありながら、大法螺吹き。実在の歴史家ニケタスに自身の半生を語り出すところから物語は始まります。
バウドリーノの奇想天外な人生は、読みだしたら止まりません。法螺を吹くのですが、それが次々と実現していきます。中世のヨーロッパを舞台に、現実や事実の裏側は所詮こんなもの的な面を、笑える皮肉で描いているようです。荒唐無稽なのですが、あながち全くの物語ではないところが面白かったです。連想されたのは、日本の国会。日々の生活に苦しむ国民がいる中で、日本という国を動かす国会議員たちの答弁や態度は、この物語に登場する支配者や聖職者たちと重なって見えます。
上巻は成長途上のバウドリーノ、下巻に入り怒涛の様にファンタジックに大きく展開します。法螺吹きながらも、どのような状況でも真っ直ぐに進み、ついつい物語に引き込まれてしまいます。ただ、ヨーロッパの歴史やキリスト教の文化に疎いので、この物語の面白さを読み落としているのだろうと思うと悔やまれます。
そして法螺吹きバウドリーノの物語が、こんな結末を迎えるとは思いませんでした。愛すべきバウドリーノともお別れかと思うと、読み終わってしまうのが勿体ないやら寂しいやら。本当に楽しめました。
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by umekononikki | 2011-02-25 09:00 |