展覧会と本と韓国ドラマと時々K-POPかな・・・。

by 梅子

彼岸過迄、行人、こころ

f0149664_9432116.jpg彼岸過迄、行人、こころ
夏目漱石著

学生時代の夏休みの宿題だった、前期三部作と後期三部作。なかでも「こころ」は教科書にも載っており、授業でも取り上げられた思い出深い作品です。宿題の6冊のうち、唯一この作品だけは読みました。「こころ」は授業で使ったので、ところどころに線が引いてあったり自分なりの注釈が付いていたり。高校時代の私の文字が懐かしい。

ではまず「彼岸過迄」。
後半の、須永と千代子の恋物語になると面白くなりました。語り手の敬太郎は傍観者の域を出ず、ステッキばかりが印象に残っています。それにしても須永が、態度をはっきりさせないんだよなぁ。千代子は現代的な感じがしました。いつの時代も同じような問題で、男女間はもめるのかもと思わされました。なんだか突然に終わった感じのする物語でしたが、そこは色々事情があったようですね。
「行人」。
兄・一郎は妻の直に、弟・二郎と不義の仲だと疑いを持っています。物語の序盤は、そんな兄を持った二郎に共感していたのに、気が付くと一郎に共感してしまいした。一郎さんの悩みは、結論の出ない問題だけに、悲劇だなぁ。
「こころ」。
授業でも読んだので、あらすじは覚えていたものの、今の自分が読むと新鮮でした。そして前期三部作、後期三部作と読んできましたが、やはりこの「こころ」が秀逸ですね。学生時代は物語の筋を追うばかりでしたが、今回は考えさせられる部分が多かったです。先生とKとの関係は、友人であり、他人であり、上下もありと非常に危ういバランスで繋がっています。二人の人生が交わっているようで、永遠の平行線であることに、先生が最後まで気が付かない悲劇があるように感じました。

後期3部作はいずれも解決できない問題に壊れていくさまが、どれも心を締め付けられました。
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by umekononikki | 2011-04-19 09:43 |