展覧会と本と韓国ドラマと時々K-POPかな・・・。

by 梅子

小さいおうち

f0149664_9572334.jpg小さいおうち
中島京子著

赤い三角屋根の家で美しい奥様と過ごした女中奉公の日々を振り返るタキ。そして60年以上の時を超えて、語られなかった想いは現代によみがえる。

以前にも書きましたが、他人の家を覗く事は面白いですよね~。そして戦前から戦後にかけて、奉公先での出来事を回想録という形で振り返るあたりがこの物語のミソなのですね。そのミソである回想録。昭和初期の生活の様子を、上品な言い回しで雰囲気良く読み進めることができました。ただ個人的には、回想録の仕掛けが物足りなかったかな。比べるべきではないのでしょうが、イシグロ・カズオの「日の名残り」(執事が主人公)の名作があり、しかも映画化(アンソニー・ホプキンス主演)が非常に良かったので、どうしてもささやかな物語に感じてしまいした。
直木賞の候補だったようですね。う~ん、がっかりするほどではないにしても、そんなに心に残る物が無かったんだけどなぁ。奥さまと女中の何気ない日常(と言っても、世の中は戦争へ走っていくのですが。)は素敵でしたが、真実を知ってもぐっとこなかったのよねぇ。戦争という背景も、奉公先の一家と周囲の人達との関係も、あっさり過ぎたのかもしれません。ただ、そこがこの物語の魅力でもあるかもしれませんが。
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by umekononikki | 2011-05-26 09:57 |