展覧会と本と韓国ドラマと時々K-POPかな・・・。

by 梅子

失われた時のカフェで

f0149664_8571811.jpg失われた時のカフェで
パトリック・モディアノ著
平井悠一訳

ルキ、それは美しい謎。現代フランス文学最高峰にしてベストセラー……。ヴェールに包まれた名匠の絶妙なナラション(語り)を、いまやわらかな日本語で――。あなたは彼女の謎を解けますか? 併録「『失われた時のカフェで』とパトリック・モディアノの世界」。

この独特のパリの雰囲気!登場人物たちは、どこを彷徨っているのか。心にぽっかり空いた穴を埋めようとしているかのように、同じ場所、同じ時間と孤独の中をあてどなく堂々巡りしているよう。幻影を見ているような、現実の世界が儚い。確かにそこにその人は存在するのに、影の様に感じる頼りなさ。「孤独」とは、誰にも想われない事ではなく、誰にも想われていないと思うことなのですね。併録「『失われた時のカフェで』とパトリック・モディアノの世界」まで読むと、また読み返したくなり、読者の私までも《永遠のくりかえし》をしてしまいました。短い物語で良かったです。この不思議な寂しさや孤独の感覚が素晴らしく、いつまでも浸っていたくなるような気分にさせられました。
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by umekononikki | 2011-06-01 08:57 |