展覧会と本と韓国ドラマと時々K-POPかな・・・。

by 梅子

精霊たちの家

f0149664_8452889.jpg精霊たちの家
(池澤夏樹=個人編集 世界文学全集 2-7)
イザベル・アジェンデ著
木村榮一訳

不思議な予知能力をもつ美少女クラーラは、緑の髪をなびかせ人魚のように美しい姉ローサが毒殺され、その屍が密かに解剖されるのを目の当たりにしてから誰とも口をきかなくなる。9年の沈黙の後、クラーラは姉の婚約者と結婚。精霊たちが見守る館で始まった一族の物語は、やがて、身分ちがいの恋に引き裂かれるクラーラの娘ブランカ、恐怖政治下に生きる孫娘アルバへと引き継がれていく。アルバが血にまみれた不幸な時代を生きのびられたのは、祖母クラーラが残したノートのおかげだった―幻想と現実の間を自在に行き来しながら圧倒的な語りの力で紡がれ、ガルシア=マルケス『百年の孤独』と並び称されるラテンアメリカ文学の傑作。軍事クーデターによって暗殺されたアジェンデ大統領の姪が、軍政下で迫害にあいながらも、祖国への愛と共感をこめて描き上げた衝撃のデビュー作。

この本に巡り合えた幸せ。精霊たちのお陰かもしれません♪500頁ほどあるにも拘らず、気がつけば最後の頁をめくっていたほど、夢中になりました。さて、どこから書けばいいのでしょうか。女性3世代に渡る物語で、振り返れば長い長い時間が過ぎたのだと感じる大河ドラマ並の読み応え。女性だけでなく男性も、登場人物全てが力強い。愛と憎悪。喜びと悲しみ。生と死。豊かさと貧困。国の近代化に政局の混乱。相対する様々な要素が入り乱れ、濃厚な時間が流れます。望むとも望まざるとも人生には様々な事が起こります。個人の力ではいかんともしがたい出来事を「運命」という言葉で片づけてしまいたくなりますが、あたかも第3者がいてその人の人生を決めてしまったような言い方は、この物語の登場人物たちには笑い飛ばされてしまいそうです。何をおいてもまず個人が存在し、起こる出来事はその人物の背景に過ぎないような存在する力が溢れています。そしてラストには、愛することや生きるということの、計り知れないエネルギーが押し寄せ感動しました。素晴らしい。
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by umekononikki | 2011-06-07 08:45 |