展覧会と本と韓国ドラマと時々K-POPかな・・・。

by 梅子

ブーベ氏の埋葬

f0149664_11174933.jpgブーベ氏の埋葬
ジョルジュ・シムノン著
長島良三訳

第二次大戦直後のパリ、8月のある朝、セーヌの河岸通りの古本屋の店頭でブーベ氏が急死する。身寄もいないと言われていた彼の写真が新聞に出ると、複数の人が関係者だと言って現れる。

ブーベ氏が何者なのか。そんな興味と共に、どんな人生を送ってきたのかと、先を読まずにはいられない衝動にかられます。そして何故そんな生き方を選択したのか考えつつ、余韻に浸りました。波乱万丈の人生というより、何かから逃れようとする姿が感じられます。消し去りたい過去や、逃れたい現実がありますが、どちらかと言うと変身願望に近い、自分自身から逃れたかったのかもしれません。しかしブーベ氏はすでに亡くなっているのです。その疑問に、本人は答えてはくれません。周囲の人々の知るブーベ氏の断片から、様々な憶測をするしか術は無いのです。得られる事の無い答えとは知りつつも、その答えを知りたい欲求にさいなまれるブーベ氏の心の内に魅了されました。
[PR]
by umekononikki | 2011-06-17 11:17 |