展覧会と本と韓国ドラマと時々K-POPかな・・・。

by 梅子

盗まれっ子

f0149664_9244273.jpg盗まれっ子
キース・ドノヒュー著
田口俊樹訳

何年も待ちつづけてきてようやく人間の子供に戻ったヘンリー・デイ。ある日突然、ホブゴブリン(小鬼)として生きることになったエニデイ。森の中の魔的な世界と現実の世界、子供時代の記憶と大人の時間、幸福と孤独。立場を取り替えられたふたりの少年が過去と決別し、自分の人生を見つけるまでの姿を鮮やかに描き出す。全米で発売後すぐにベストセラーとなった話題のデビュー作。ふたりの少年の成長を描いた大人のためのファンタジー小説。

面白く夢中になって読みました。「ホブゴブリン(小鬼)」なんて、ハリー・ポッターの様なファンタジーだったら苦手だなぁ、などと思いながら読み始めました。しかし現実世界に根付いた堅実な(という形容はどうかとも思いますが)ファンタジーです。ホブゴブリンと人間の子供が入れ替わる設定がファンタジーで、あとは少年の成長物語。この特殊な設定により、入れ替わりの事実を隠しとおさなければならないという緊張感があります。そして、ファンタジー特有の荒唐無稽な要素が物語をひっかきまわすこともなく、納得の展開。子供が入れ替わる残酷な悲劇よりも、与えられた状況でいかに生きるかが問われています。余韻のあるさわやかなラストでした。
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by umekononikki | 2011-07-27 09:25 |