展覧会と本と韓国ドラマと時々K-POPかな・・・。

by 梅子

イエメンで鮭釣りを

f0149664_10243289.jpgイエメンで鮭釣りを
ポール・トーディ著
小竹由美子訳

主人公アルフレッド(フレッド)・ジョーンズ博士は、研究一筋の真面目な学者。水産資源の保護を担当する政府機関、国立水産研究所(NCFE)に勤めている。ある日、イエメン人の富豪シャイフ・ムハンマドから、母国の川に鮭を導入するため力を貸してもらえまいかという依頼がNCFEに届く。次第にプロジェクトに巻き込まれていくフレッドたちを待ち受けていたものは?

イエメン?思わず地図で確認。うろ覚えの記憶では、にわかに信じられないような国での鮭釣りプロジェクト。不可能を可能にする、まさに「ミッション:インポッシブル」な計画を請け負った学者フレッド。「学者」というイメージそのままの真面目で不器用な人柄ながらも、この計画に光が差し始めたあたりから生き生きしてきます。しかし、逆に周囲はプライベートも、計画の舞台裏にもきな臭さが漂ってきます。どう考えても無茶な計画に、様々な立場の人間が大真面目に群がる様がなんとも滑稽で、とりわけ政治面ではどこの国も同じだなと感じます。そして、笑えない悲劇を、笑える喜劇に見せる辺りは秀逸です。この計画に鮭の提供を求められ、一刀両断に断った人が、最も常識的だったのかもと思い返しました。私もまんまと富豪のシャイフにのせられて、この無茶な計画が現実味を帯び、成功を願わずにはいられなくなりました。多くのお金と労力と犠牲が払われた重みと、フレッドの何事もなかったかのような平穏なラストも面白かったです。楽しめました。
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by umekononikki | 2011-08-09 10:24 |