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by 梅子

マイトレイ、軽蔑(池澤夏樹=個人編集 世界文学全集 2-3)

f0149664_111242.jpgマイトレイ
アルベルト・モラヴィア著
住谷春也訳
軽蔑
ミルチャ・エリアーデ著
大久保昭男訳
(池澤夏樹=個人編集 世界文学全集 2-3)

『マイトレイ』
タブーを超えて惹かれ合う若き男女の悦楽の神話。瑞々しい大気、木に宿る生命、黄褐色の肌、足と足の交歓。インドの大地に身をゆだねた若き技師が、下宿先の少女と恋に落ちる。作者自身の体験をもとに綴られる官能の物語。

神々が住む別世界に足を踏み入れてしまったかのような悦楽と、その世界から追放される絶望。よくある設定ながらも、その描写の素晴らしさに、物語の世界に浸ってしまいます。そして何より二人の狂おしいまでの想い。物語はヨーロッパから来たアランの視点で描かれていますが、マイトレイが彼を想う気持ちが十二分に現れています。離ればなれになってもマイトレイの想いは冷めず、その想いを剣を突きさすようにアランに届けるラストは圧巻でした。私はすっかり、異文化の甘い恋物語だと思い読み進め、大間違いだと気付かされました。マイトレイの想いに飲み込まれ、息がつまるほどです。素晴らしい。


『軽蔑』
ある日突然、妻の心変わりを察した劇作家志望の男。繕うすべもなく崩れていく夫婦の関係を夫の目から緻密に描き、人生の矛盾と人間の深い孤独を問いかけるイタリア文学の傑作。

うわぁ~、これは夫にとってつらいなぁ!と、唸ってしまいました。夫にとっては突然かもしれませんが、妻は小さな事が積み重なって、夫を愛することができなくなったのよと、女性の立場から言いたい。もうこればかりは理屈ではありません。それに対し、夫は何かしら理由を見つけ解決しようだなんて、無理無理!!!そこがこの夫の悲劇。そんな男女のすれ違いが、綿密に濃厚に描きだされています。女性から見れば妻には非常に共感できる作品なのですが、男性からはどうでしょう。

どちらも夢中に読んだほど面白く、充実の1冊でした。お陰で、お盆休み用に図書館で借りたのに、休み前に読んでしまいました。
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by umekononikki | 2011-08-17 11:02 |