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展覧会と本と韓国ドラマと時々K-POPかな・・・。

by 梅子

緑の家

緑の家_f0149664_9465425.jpg緑の家
M.バルガス=リョサ著
木村榮一訳

インディオを手下に従えて他部族の略奪を繰り返す日本人、アマゾン奥地の村の尼僧院で暮らすインディオの少女、砂の降りしきる町に流れ着き、娼館「緑の家」を建てる盲目のハープ弾き……。広大なペルー・アマゾンを舞台に、さまざまな人間たちの姿と現実を浮かび上がらせる、物語の壮大な交響楽。現代ラテンアメリカ文学の傑作。

夏です。ラテン祭りです。いやリョサ祭りか。このあと「楽園への道」も読む予定。ゴーギャンは、食わず嫌いで、実際に作品を見た瞬間、その魅力にノックアウトされた画家です。いやいや、ここでは「緑の家」の感想ですね。
むせかえるような密林と砂漠の熱気に、なかなか見えてこない物語の筋に加えて酷暑の中読んだので、上巻は辛かった。どちらかというと物語の筋よりも、登場人物たちの人間臭さの濃厚さにやられました。ただ私には読み落とした部分が多く、再読が必要かもしれません。4つの物語が、時系列はバラバラに錯綜した構成で、混乱しつつも「えいっ、やーっ!」とばかりに読み進めたからです。
それにしても登場人物たちの濃さといったら!良くも悪くも人間臭い!近年、コンピューターの潔癖なバーチャルの世界がもてはやされる中、この臭さは新鮮でした。それだけに、もう少し読み込みたいので、涼しくなったらゆっくりと再読したいと思います。
by umekononikki | 2011-08-19 09:47 |