展覧会と本と韓国ドラマと時々K-POPかな・・・。

by 梅子

ものすごくうるさくて、ありえないほど近い

f0149664_928664.jpgものすごくうるさくて、ありえないほど近い
ジョナサン・サフラン・フォア著
近藤隆文訳

オスカー・シェル、9歳。アマチュアの発明家にして宝飾デザイナーで宇宙物理学者でタンバリン奏者で平和主義者。ある鍵にぴったり合う錠前を見つけるために、ママには内緒でニューヨークじゅうを歩いて探しまわっている。その謎の鍵は、あの日に死んだパパが持っていたものだった・・・・・・。数々の写真、手書き文字、溢れ、重ねられ、消される言葉たち・・・・・・。ヴィジュアル・ライティングの手法を使いながら、ヒロシマ、ドレスデン、そして911と、歴史の悲劇に対峙してきた3世代の物語が編まれていく。 2012年に監督スティーヴン・ダルドリー(『リトル・ダンサー』『めぐりあう時間たち』『愛を読むひと』)、主演トム・ハンクス、サンドラ・ブロックで映画化 。

断片的に綴られる物語。それぞれの物語が、徐々に明らかになります。そして確信的に空白の頁や落書きの頁、写真が織り込まれ、文字ばかりを追っているとそれらにドキリとさせられます。そんな手法が、アメリカの若手作家らしいと感じます。もちろん物語の内容も良かったです。亡くなった父親の影を追い求めるオスカーは、子供の低い視点でニューヨークの街を駆け巡ります。子供から見たニューヨークの町は、映画やドラマで見るそことは違ってみえ新鮮です。そして父を失ったストレスを、子供ながらの方法で解決しようとする姿は、非常に切なく痛ましい。彼を見つめる母や祖父母の視線が、自身も傷が癒えていないにもかかわらず、オスカーを暖かく見守っている様に心を打たれます。斬新な手法で、ドレスデン、広島、9.11と力ずくで奪われた多くの命と残された者たちの傷を表現し新鮮さを感じると共に、多くの事を考えさせられる内容でもありました。面白かったです。
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by umekononikki | 2011-08-23 09:28 |