展覧会と本と韓国ドラマと時々K-POPかな・・・。

by 梅子

蛙鳴

f0149664_13263985.jpg蛙鳴
莫言著
吉田富夫訳

堕せば命と希望が消える。産めば世界が必ず飢える。現代中国根源の禁忌に莫言が挑む。

母子共に無事に出産させる喜びを味わう技術が、一人っ子政策により堕胎させる苦しみへ。子供を授かるという神の領域すら制御しようと、多くの人が右往左往します。その様が、なんとも滑稽に思える残酷さ。それでも最後には、子に対する母の大きな愛や、生命の尊さや力強さを感じ、非常に良かったです。
それにしても一人っ子政策の、その短絡的なところがいかにも中国的。国の政策が右を向けば、国民全てが右を向き、次は左と言われれば左を向く。従わなかった者は、いつの間にかこの世から消えている・・・なぁんてイメージの中国。先日の列車事故といい、この小説といい、近年そんな中国も変わらざろうえないのかもしれません。月並みですが、13億人以上の人口を抱えるだけに、国にしてみれば一人の命など軽いものなのでしょうか。国が右を向けば、国民全てが右を向いているようで、その国民一人一人は、一人ひとりが違った個性を持ち、感情があり、痛みを感じる一人の人間です。物語に登場する人物はだれしも、それぞれの感情があり、考えが違い、痛みを感じる人間として、生き生きと力強く描かれていたことが印象的でした。
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by umekononikki | 2011-09-02 13:26 |