展覧会と本と韓国ドラマと時々K-POPかな・・・。

by 梅子

大統領の最後の恋

f0149664_9133022.jpg大統領の最後の恋
アンドレイ・クルコフ著
前田和泉訳

セルゲイ・ブーニンは孤独だった。22歳で結婚に破れて以来、どの恋にも空しさと悲哀がつきまとう。ソ連崩壊後、政治の世界に足を踏み入れ、遂に大統領にまで昇りつめたが、真の愛は手に入らない。だが、政敵との闘いの日々、移植手術を受けた彼の心臓の「持ち主」と名のる謎の女性が現れると、運命は過去と交錯し、大きく動き始める。

この厚みに躊躇していた本。「ペンギンの憂鬱」を読み、この作家に興味があったものの、およそ5センチあるよ~。読書の年間目標100冊(遅読なので。)をクリア出来そうなので、手にとってみました。
「ペンギンの憂鬱」同様、淡々とした語り口がいい。何か事件が起きていそうな雰囲気と、何が事件なのか見えてこない楽しみ。大統領の人生の3つのポイントが同時進行しつつ、それぞれの年代で様々な事件が起こることも楽しい。年齢により大統領という同一人物の様々な面を覗けることも、これまた面白い。深刻な事態もどこかユーモラスに語られ、気がつけばラストへ突入。とても楽しめました。
人生には必ず岐路があり、その時どの道を選ぶかで人生が変わるのかとも思い、また、どの道を選んでも分相応な結末しか用意されていないとも思います。今、岐路に立たされている私としては、後者の方を心配し1歩を踏み出せないでいる状態。訳者の解説にもあった通り、3つの時系列はどこかリンクし、同じことを繰り返しているような雰囲気を感じます。しかし大統領は最後には「幸せ」を掴んだではないかと、自分を奮い立たせてみたりしています。どこか投げやりな青年から副大統領になり、最後には大統領にまで昇り詰める、社会的には階段を上り続けた人生。しかし「幸福」は、何故か彼の手からこぼれおちてしまいます。そんな大統領が掴んだ「幸福」は、何にも勝る価値があるのかもしれません。私も頑張らねばと思い、本を閉じました。
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by umekononikki | 2011-09-08 09:13 |