展覧会と本と韓国ドラマと時々K-POPかな・・・。

by 梅子

ウィルバーフォース氏のヴィンテージワイン

f0149664_9638.jpgウィルバーフォース氏のヴィンテージワイン
ポール・トーディ著
小竹由美子訳

ボルドーの迷宮に足を踏み入れ、その虜となった実業家ウィルバーフォース。あるワイン蒐集家と知り合い、古い屋敷と膨大なコレクションを受け継ぐことになるが、そこには驚くべき悲劇が待ち受けていた…。

ウィルバーフォース氏は、どうやらそんなに悪い人ではなさそうなのに、どうしてアルコール中毒になるほど、ワインにのめり込んだのかと思い読み進めました。過去にさかのぼるにつれ、その決定的な分岐点に近づいていきます。
ブラック・ユーモアなので、落ち込んでいる時にはお勧めできません。物語は1日に数本のワインを開け、幻覚を観て、友人の助言にも聞く耳を持たず、常に酔っぱらってへべれけ状態のウィルバーフォース氏から始まります。こりゃ、どうしようもないなと思いながら読み進めていくと、ただのアル中ではないように感じてきます。ワインのテイスティングに美を求め、次から次へと瓶を開けていく姿は、ワインの魅力に取りつかれた哀れな人間のようにも見えてきます。物語は現在から過去へとさかのぼる形式。過去へ遡るにつけて徐々に正気を取り戻していき、ついには希望に満ちた決断を下すシーンへ。あまりにも希望に満ちていない、希望に満ちたラストシーン。幸いにも彼ほどの悲劇は待っていませんでしたが、私も振り返れば希望に満ちた決断を後に悔んだこと数知れず・・・。ほど良い苦さを感じながらも、楽しめました♪
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by umekononikki | 2011-10-17 09:06 |