展覧会と本と韓国ドラマと時々K-POPかな・・・。

by 梅子

南の子供が夜いくところ

f0149664_1174119.jpg南の子供が夜いくところ
恒川光太郎著

「今年で120歳」というおねえさんと出逢ったタカシは、彼女に連れられ、遠く離れた南の島で暮らすことになる。多様な声と土地の呪力にみちびかれた、めくるめく魔術的世界。

トロンバス島を巡る短編集ですが、全体を通して大きな一つの輪のように感じるのは、最初と最後の物語が繋がっているからですね。正直言うと、ファンタジーのような不思議ワールドは苦手です。それでも、ひとつ物語を読み終われば、また次ぎもと読みたくなるんですから、この世界はかなり魅力的です。まったくもって現実離れした幻想の世界なのですが、人間の深層に眠っている様々な感情を具象化したような現実味がありました。人間の心の底に沈んでいる、自己中心的な考えや嫉妬、ねたみ、不安、または相手を想う気持ちや、思いがけない勇気、希望などなど。それら全てをひっくるめて、人間だと肯定してくれる世界観は素晴らしかったです。絵本を読んでいるような、色々ことを想像させる余白のある物語でした。
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by umekononikki | 2011-10-19 11:07 |