鋼の夏
2011年 11月 25日
鋼の夏
シルヴィア・アヴァッローネ著
荒瀬ゆみこ訳
イタリアの製鋼所の町ピオンビーノ。そこに暮らす13歳のアンナとフランチェスカは、それぞれに異なった美しさを持つ、無二の親友同士だった。しかし、アンナが兄の友人に恋をしたことをきっかけとして、二人の友情は、少しずつすれちがっていく―閉塞的な社会のなかで懸命にもがき生きる若者たちの、刹那的な輝きを見事に描き上げた若き才能のデビュー作。カンピエッロ文学新人賞、フライアーノ文学賞、フレジェネ賞受賞作。
なんとまぁ、13歳の少女とは思えぬ早熟さ。日本人には、少し理解しがたい年齢かもしれません。守りたいもの、変わりたい自分、壊したい社会。熱にうなされたような思春期の混沌が詰まった物語でした。「何か」をしたい。「どうにか」したい。自分が求める物は何なのか。本当に、多くを考え行動しようとした思春期。大人への脱皮の苦しみやジレンマが、焼けついた鋼を素手で触るような強烈な刺激として伝わってきます。しかし、いつの間にかそんな時期が過ぎ去ります。気がつけば、あの苦しみやジレンマは忘れてしまい、何も無かったような日常が帰ってきます。お見事!
シルヴィア・アヴァッローネ著
荒瀬ゆみこ訳
イタリアの製鋼所の町ピオンビーノ。そこに暮らす13歳のアンナとフランチェスカは、それぞれに異なった美しさを持つ、無二の親友同士だった。しかし、アンナが兄の友人に恋をしたことをきっかけとして、二人の友情は、少しずつすれちがっていく―閉塞的な社会のなかで懸命にもがき生きる若者たちの、刹那的な輝きを見事に描き上げた若き才能のデビュー作。カンピエッロ文学新人賞、フライアーノ文学賞、フレジェネ賞受賞作。
なんとまぁ、13歳の少女とは思えぬ早熟さ。日本人には、少し理解しがたい年齢かもしれません。守りたいもの、変わりたい自分、壊したい社会。熱にうなされたような思春期の混沌が詰まった物語でした。「何か」をしたい。「どうにか」したい。自分が求める物は何なのか。本当に、多くを考え行動しようとした思春期。大人への脱皮の苦しみやジレンマが、焼けついた鋼を素手で触るような強烈な刺激として伝わってきます。しかし、いつの間にかそんな時期が過ぎ去ります。気がつけば、あの苦しみやジレンマは忘れてしまい、何も無かったような日常が帰ってきます。お見事!
by umekononikki
| 2011-11-25 10:52
| 本