展覧会と本と韓国ドラマと時々K-POPかな・・・。

by 梅子

バラバ

f0149664_1043534.jpgバラバ
ラーゲルクヴィスト著
尾崎義訳

ゴルゴタの丘で十字架にかけられたイエスをじっと見守る一人の男があった。その名はバラバ。死刑の宣告を受けながらイエス処刑の身代わりに釈放された極悪人。現代スウェーデン文学の巨匠ラーゲルクヴィストは、人も神をも信じない魂の遍歴を通して、キリストによる救い、信仰と迷いの意味をつきとめようとする。

神を信じることも、人を愛することもできないバラバ。ある意味、現代人にも似ているように感じました。希薄な人間関係の中、よりどころが無く中を浮いているような存在に感じる時があります。しかし、バラバは悩み苦しみます。そこが現代人と、決定的に違うところかもしれません。信仰とは何なのか?サハクの様な敬虔な信者よりも、バラバの方が、ずっと人間らしく感じました。人は必ず過ちを犯し、悩み、迷い、疑い、苦しむ生き物なのですから。 宗教全般に疎い私ですが、宗教は人生が楽しい事ばかりで良いとは言っていないのではないでしょうか。時には苦しみを味わうことも必要かもしれません。ただ、人間としてより良く生きるために、人間として行うことを説いているように思います。キリスト教という宗教の枠を超えて、苦しむことの意味、幸せの意味、愛の意味、生きている意味など、深く考えさせられる物語でした。それにしても、奥深い。
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by umekononikki | 2011-12-08 10:43 |