展覧会と本と韓国ドラマと時々K-POPかな・・・。

by 梅子

ワニの黄色い目

f0149664_14301365.jpgワニの黄色い目
カトリーヌ・パンコール著
高野優監修・翻訳、池畑奈央子翻訳

パリ郊外に住むジョゼフィーヌ(ジョー)は、中世フランスの研究をしている引っ込み思案な女性。娘二人と夫との家庭は、平凡ながら幸せなはずだった。夫が愛人と家を出るまでは。家計のやりくりに困ったジョーは、くじけそうになりながらも、必死に仕事に励む。そこに、自信家で美人の姉イリスが、予想外の提案をする―「ジョー、わたしのかわりに小説を書いて」と。悩みながらも道をきりひらいていく女性を描き、フランスで圧倒的支持を受けた波瀾万丈なサクセス・ストーリー。

楽しめました。上下巻でしたが、瞬く間に読了。人生の転機って、いつやってくるか分からないもの。そして転機が訪れた時に、階段を上がれるかは、それまでの自分磨きにかかっているのかもしれません。中世フランスの研究は、唯一、平凡すぎる主人公ジョーを輝かせる要素です。その要素をこれまで無意識にしても磨いてきた彼女。様々な要因が、偶然か、はたまた必然かがあったにせよ、唯一の要素を武器に、彼女は階段を一段上がります。年齢も、容姿も、性格も様々な女性たちが数多く登場し、それぞれの心の内を読者に明かすのも面白く、共感できたり、納得できたり・・・。日常生活に追われていると周りが見えなくなるといいますが、周囲の友達や姉妹、母親、同僚と、懸命に生きているのは自分だけじゃないと気付かされます。若くてハンサムな恋人もできたり、小説で成功するのかしらと気をもんだり、個性的な周囲の人たちの行方も気になるしと、「そんなに上手くいく訳ないじゃん。」と思いながらも先の気になる物語でした。そして、概ね読者が望むような結末を迎え、意外性が無かったものの楽しめました。加えて登場人物たちの、あまりにもベタな設定もどうかとは思いましたが、楽しめたからまぁいいかと。人生に悩みながらも、真っ当に努力していれば報われるという昔ながらのパターンに、この世知辛い世の中だけに、安心感と新鮮さを感じて良かったです。
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by umekononikki | 2011-12-13 14:30 |