展覧会と本と韓国ドラマと時々K-POPかな・・・。

by 梅子

昏き眼の暗殺者

f0149664_20301531.jpg昏き眼の暗殺者
マーガレット・アトウッド著
鴻巣友季子訳

1945年、妹のローラは車ごと橋から転落して死んだ……あれは本当に事故だったのだろうか? いま、年老いた姉のアイリスは、孤独のなか自分の来し方とともに思い返す。ある一族の波瀾の歴史を、孤独と追憶の迷宮のなかに描く、近代・現代文学の総決算。

調子に乗るまでが長かった・・・。「妹ローラの事故が、本当に事故だったのか?」という内容紹介を読んでいたので、すっかりミステリー色の強い物語かと思いきや、主人公アイリスの一族の物語。しかも年老いたアイリスが過去を振り返りながら、現在の自分の状況に愚痴をこぼす気難しい老人として長々と語る過去。いつ事件が起こるのかと思い読んでいましたが、事件が起こるというより、一族の物語に、新聞等の記事、「昏き眼の暗殺者」という物語が折り重なるように綴られ、何処かで少しずつ歯車がずれてきたように感じる違和感と不安を感じさせる展開。過去は過去になった瞬間から、記憶と記録との狭間の迷宮になってしまうのね。救われない物語ながらも、含みのあるラストは良かったかな。読み応え十分で、面白かったです。
[PR]
by umekononikki | 2011-12-19 20:30 |