展覧会と本と韓国ドラマと時々K-POPかな・・・。

by 梅子

海にはワニがいる

f0149664_22452445.jpg海にはワニがいる
ファニオ・ジェーダ著
飯田亮介訳

パキスタン、イラン、トルコ、ギリシア、そしてイタリア―アフガニスタンを逃れた10歳の少年は、母が消えた翌朝からただ一人、安住の地をさがしもとめ命をかけて国境を越え、旅をつづけた。少年の苛酷な彷徨を、近しくも静かな視点でときにユーモアをまじえて描きイタリアをはじめ世界中の読者の心を動かした、事実にもとづく物語。

短いながらも、何かが胸に突き刺さるような物語でした。戦争に翻弄され、母子が離れ離れにならなければいけない。その後の放浪生活の過酷さ。わずか10歳の少年が、なぜ悲劇的な運命を受け入れることができたのか。悲劇の中でも少年の「学校に行き学びたい」という気持ち。暖かい食事に、安らかに眠れる場所に感謝する。その純粋な思いに心が打たれました。当然、この物語の背景には、知っておかなければならない正解の情勢があります。しかしその国の情勢も、この少年をみていると僅かでも明るい光がさしているかのようにも感じました。私たちが忘れがちな心を、この少年に気づかされました。
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by umekononikki | 2011-12-26 22:45 |