展覧会と本と韓国ドラマと時々K-POPかな・・・。

by 梅子

飢餓の娘

f0149664_2128642.jpg飢餓の娘
虹影著
関根謙訳

少女「六六(リュウリュウ)」には出生の謎があった。大飢饉の直後に生まれ、凄惨なスラム街に育ち、あたかも生まれながらの飢餓の魂をかかえた娘だった。18歳の誕生日が間近かに迫った1980年から物語が始まる。彼女の家は重慶のスラム街にあり、狭い部屋に父母と6人の姉妹兄弟がひしめき合って暮らしていた。末っ子の「六六」は、しばしば余計者、邪魔者として邪険に扱われてきた。

考えられないような凄惨なスラム街を舞台に、6人の兄弟姉妹が暮らしています。どうしようもない貧困の描写は少し辛かったですが、物語はそこから立ち上がろうとするところにあります。しかし、貧困から抜け出すことの難しさ。そんな中にあっても、兄弟姉妹は生活し、成長し、様々なことを考え、各人の事情を背負い生きてゆくさまは、力強く、痛快ささえ感じました。特殊な家族関係で、父親の立ち位置が絶妙。そしてなにより母と娘はどこか特異な関係であることが、極限の貧困の中で見事に具象化されていて、読み応えがありました。面白かったです。
[PR]
by umekononikki | 2012-01-10 21:28 |