展覧会と本と韓国ドラマと時々K-POPかな・・・。

by 梅子

琥珀の眼の兎

f0149664_20192.jpg琥珀の眼の兎
エドマンド・ドゥ・ヴァール著
佐々田雅子訳

《エコノミスト》紙
《サンデー・タイムズ》紙
コスタ賞ブック・オブ・ザ・イヤーに選出!
王立文学協会オンダーチェ賞受賞!
陶芸家のエドマンドは東京の大叔父の部屋で出会った264の美しい根付に魅了された。やがて根付を相続した彼は、その来歴を調べはじめる。根付を最初に手 に入れたのは、彼の曽祖叔父だった。19世紀初頭に日本から輸出された根付はマルセイユに上陸して、美術収集が趣味の曾祖叔父の手に渡った。根付の壮大な旅路を追いながら、エドマンドは一族の哀しい歴史を知る。全英を絶賛の渦に巻き込んだ傑作ノンフィクション。


前半は、「根付」と西洋の文化とがしっくりこず、なかなか読み進められませんでした。後半ナチスが台頭するあたりから、俄然面白くなり一気に読みました。西洋と東洋の異なる美の対比は、歴史に翻弄されてもなおきらめきを失いません。西洋の富豪の文化は豪奢で、小さな根付たちはとても地味な存在に感じます。しかしその根付たちの繊細で小さな世界に、富豪一族の歴史までもが飲み込まれ、宇宙のような存在に感じました。先日読んだ「偽りの来歴」なんてとんでもない人たちがいる一方、このような息を飲むような切ない人々の歴史をも飲み込んだ来歴もあるのですね。ノンフィクションだと改めて思うと、とても面白く、興味深く読みました。
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by umekononikki | 2012-01-15 20:01 |