展覧会と本と韓国ドラマと時々K-POPかな・・・。

by 梅子

フランスの遺言書

f0149664_13293242.jpgフランスの遺言書
アンドレイ・マキーヌ著
星埜守之訳

二十世紀のロシアの歴史を静かに通り抜けたフランスの女―それがぼくの祖母だった。ぼくを包み込むステップの夕暮れ。時空を超えて甦えるベル・エポックのフランス―。フランスを接ぎ木されたロシアの少年の、祖母の人生への追憶のなかに響きわたる二十世紀への挽歌。ゴンクール賞、メディシス賞、高校生のゴンクール賞、3賞同時受賞作。

激動の時代の中、落とし穴に落ちたような静謐な時間を味わいました。祖母たちが体験した戦争の悲惨さも、少年の青春の苦悩も、全てが幻の様な美しさを感じます。物語の顛末より、その雰囲気にいつまでも浸っていたくなるよう・・・。日本人の持つ美とはかけ離れた、西洋ならではの「美」の世界。美しい祖母の姿を、少年を通じて感じることができ、二人の姿がどこか重なり、互いに響きあっているようにも感じます。永遠に続くかのようなゆったりとした時間の流れの中の、美しい物語でした。
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by umekononikki | 2012-04-05 13:29 |