展覧会と本と韓国ドラマと時々K-POPかな・・・。

by 梅子

三人の乙女たち

f0149664_21534171.jpg三人の乙女たち
フランシス・ジャム著
手塚伸一訳

信心ぶかくて清らかなクララ・デレブーズ。情熱的でまっすぐなアルマイード・デートルモン。愛らしくて傷つきやすいポム・ダニス。三者三様に純潔で可憐な乙女たち。「処女のゆらめく美しさをわたしほどに感じとった者が今までいたとは思えない」とジャムは言った。自然と愛の詩人が描く、散文詩のように美しい三つの物語。

あまりに純粋で、あまりに可憐、ゆえにこの世には存在し得ないような陽炎のようにも感じる乙女たち。自然の美しさとともに、清らかなひと時を味わいました。
それにしても1話目の「クララ・デレーブス」の物語が、あまりの悲劇に終わってしまったため、残りの2話もどうなることやらと不安になりました。3話とも悲劇であるのですが、クララのような「救いようの無さ」は無く安心。最も、物語の筋よりも、先に書いたように陽炎のようなはかなさや、清らかな心を味わう内容でした。それにしても、現代人からは想像できないような、純潔の世界。最も、当時にしても理想の世界だったのではないでしょうか。書かれた時期はバラバラのようですが、それとはなく3つの物語がつながっていて、抜けることのできない運命のような雰囲気が悲しみに拍車をかけます。美しい悲劇でした。
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by umekononikki | 2012-05-09 21:53 |