展覧会と本と韓国ドラマと時々K-POPかな・・・。

by 梅子

河・岸

f0149664_11503857.jpg河・岸
蘇童 著
飯塚容 訳

文化大革命期を背景に、父と息子の13年間にわたる船上生活と、少女への恋と性の目覚めを、少年の視点から伝奇的に描く。中国の実力派作家による、哀愁とユーモアが横溢する傑作長篇。マン・アジアン文学賞、中華文学賞、華語文学メディア大賞受賞作品。

少年の成長物語に欠かせない、親子の関係、性の目覚めや今の生活からの脱却を、文化大革命化の中国を舞台にするとこんな感じになるのですね。主人公の少年は、不条理の中、何かを変えたいのか、何かを守りたいのか、自分はどうしたいのか分からない、エネルギーの持って行き場を失ったかのようなジレンマを抱えているようにも見えます。折りしも性への目覚めの時期でもあったので、ジレンマの発散先がそちらのほうへ向いてしまったよう。父親が下半身で失敗しただけに、ふしだらなことはしたくない。そんなジレンマの上にジレンマが乗っかってしまうんだから不幸だよね~。極端な登場人物たちに、権力の乱用にといかにも中国らしい要素が満載で、グロテスクながらもユーモラスで楽しめました。
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by umekononikki | 2012-06-03 11:50 |