展覧会と本と韓国ドラマと時々K-POPかな・・・。

by 梅子

ある家族の会話

f0149664_13164269.jpgある家族の会話
ナタリア・ギンズブルグ 著
須賀 敦子 訳

イタリアを代表する女流作家の自伝的小説。舞台は北イタリア、迫りくるファシズムの嵐にほんろうされる、心優しくも知的で自由な雰囲気にあふれた家族の姿が、末娘の素直な目を通してみずみずしく描かれる。イタリア現代史の最も悲惨で最も魅力的な一時期を乗りこえて生きてきたある家族の物語。

良かったです。北イタリアで生活する一家。無駄とも思える、この家族ならではの会話や生活習慣が心地よく浸っていると、次第にファシズムの嵐に飲み込まれてゆきます。そんな外の世界の描写は極端に少なく、視点は常に家族にあります。時代が流れても、子供の成長に両親が老いても、離れて暮らしても共に過ごしても生まれる家族の絆は、他人からみれば不自然なまでに特別なものを感じます。理屈ではない、時間の長さでもない、価値観の一致でもなく、家族にしか理解できない絆に静かな感動を覚えました。

余談ですがにこの本の表紙は、有元利夫「午後のまどろみ」。この人好きなんですよね。雰囲気があると思いませんか。
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by umekononikki | 2012-07-02 13:19 |