展覧会と本と韓国ドラマと時々K-POPかな・・・。

by 梅子

月と詐欺師

f0149664_21534089.jpg月と詐欺師
赤井三尋 著

一代で財閥にのし上がった男・灘尾儀一郎に嵌められて、瀬戸俊介の父母と姉は自殺した。復讐を誓って大阪に戻ってきた俊介の前に現れたのが、詐欺団のリーダーという裏の顔を持つ春日だった。俊介が父の遺品を換金して得た1万円を資金に、いよいよ儀一郎&灘尾財閥殲滅の幕が切って落とされた。そして―。『翳りゆく夏』で江戸川乱歩賞受賞の実力派が描く、戦後の混乱期を背景にした社会派長編。

爽快な復讐劇で、とても楽しめました。戦前の関西の都市や経済界の描写が新鮮で、馴染みの土地だけにそれだけでわくわく。とりわけ今でも残る建物や、財閥の名残が、そういう歴史があったのかと興味深かったです。灘尾儀一郎のワンマンぶりが、個人的に知っている会社の社長を思い出させ、そういった面もあわせ二重の爽快感を味わいました。気がつけば詐欺が始まり、壮大な詐欺計画が徐々に見えてきたら、もう読むことをやめられませんでした。でもなぁ、最後のオチはなんだか美談っぽくて好みではなかったかも。詐欺チームのその後は、納得できただけに残念。でも一気読みは間違いなしです。
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by umekononikki | 2012-08-30 21:54 |