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by 梅子

からのゆりかご―大英帝国の迷い子たち

f0149664_16395525.jpgからのゆりかご―大英帝国の迷い子たち
マーガレット・ハンフリーズ 著
都留 信夫、都留 敬子 訳

英国ノッティンガムでソーシャルネットワーカーとして働くマーガレットが次々と訴えられたことは、「私」を探すことであった。地道な調査を始めるうちに行き着いた結論は、1970年代まで英国では、施設に預けられた子どもたちを福祉の名のもとにオーストラリアに移民として送って過酷な労働を強い、またそこでは無残な虐待が行われていたという事実であった。親の許可もないまま、ある時には親は死んだと偽ってまで移民させられた子どもの数は実に13万人にものぼるという。時に権力の側から妨害を受け、脅迫に脅えながらも、真実を求めて果敢に立ち向かうマーガレットの姿を描いた感動の実話。
この児童移民の事実については、2009年11月にオーストラリア首相が、2010年2月にイギリス首相が事実を認め、正式に謝罪をしている歴史的事事実である。
この本を基にした映画「オレンジと太陽」が2012年4月より全国で順次公開。


あまりの真実の悲惨さに言葉が出ません。児童移民の過酷な労働に、虐待、そして何より自分は誰なのかが分からない苦しさ。そんな子供たちが13万人を超え、しかも1970年代まで続いていたにもかかわらず、著者が公にするまで闇に飲み込まれていた事実。子供たちのこの想いを誰にぶつければいいのかと、読んでいて何度も胸が締め付けられました。映画にもなったようですが、この本の内容があまりに重く圧し掛かり映画はしばらく観る気力がわきません。それほどの事実がこの本には書かれています。
「訳者あとがき」にもありますが、さまざまな視点をもって読むことができるでしょう。このような事実と重ね合わせて考えられるケースが、歴史の中では少なくありません。そういった問題の解決と、未来においてこのような残酷なことが起こらないようこの本から学ぶべきことは多いと感じました。
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by umekononikki | 2012-09-10 16:40 |