展覧会と本と韓国ドラマと時々K-POPかな・・・。

by 梅子

楢山節考、笛吹川

f0149664_13124564.jpg楢山節考、笛吹川
-新潮現代文学47-
深沢七郎 著

「人生永遠の書」とも評される昭和文学の金字塔。
「お姥(んば)捨てるか裏山へ 裏じゃ蟹でも這って来る」齢七十となり神のいる楢山へ欣然と赴く老母おりんを、孝行息子辰平は胸のはりさける思いで背負う。残酷だがそれは貧しい村の掟なのだ----正宗白鳥に「人生永遠の書」と言わしめた深沢七郎畢生の傑作『楢山節考』。


「楢山節考」が読みたくて図書館で検索すると、これがヒットしたので「まっ、深沢七郎って読んだことないし。」位の軽い気持ちで読み始めて、見事に後頭部をガツンとやられちゃいました。この本、「笛吹川」「庶民烈伝」「楢山節考」「絢爛の椅子」「枕経」「妖木犬山椒」「村正の兄弟」を収録。一作目「笛吹川」から、「なんだこりゃ!」と思わせるくらい、どんどん人が死に、どんどん子供が生まれます。武田家の興亡に翻弄される人々が描かれていますが、生きることも死ぬこも簡単に表現されているようで、読後には何か胸に石を乗せられたような命の重みを感じました。もうこの時点で「楢山節考」のために借りた本だということを忘れてしまいました。それにしても、濃い!どの作品も強烈な印象で、我慢できないほどの人間くささが、様々な角度から切り取られ描かれています。なかでもやはり「楢山節考」は、淡々した語り口と多くを語らない中に、人間社会の矛盾全てがあるように感じました。
なんだかすごいもの読んじゃったといったところです。

画像は、監督今村昌平の「楢山節考(1983)」。カンヌ国際映画祭でパルムドール(最高賞)を受賞したそうです。
[PR]
by umekononikki | 2012-09-11 13:13 |