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展覧会と本と韓国ドラマと時々K-POPかな・・・。

by 梅子

ぼくらの祖国

ぼくらの祖国_f0149664_16175946.jpgぼくらの祖国
青山繁晴 著

あなたは祖国を知っているだろうか……?
「ぼくは知らなかった」と著者は言う。なぜだろうか? 日本の学校では教えないからだ。日本の大人も語らないからだ。子供も大人も、あなたもぼくもみんな日本国民だ。しかし日本を祖国として考えたこと、はっきり祖国として意識したことが、どれほどあるだろうか? 
 なぜ、日本の学校では祖国について教わらないのか? なぜ、日本の大人たちは祖国を語らないのか? それは戦争に負けたからだという。
 しかし、世界の多くの国が戦争に負けた歴史を持っている。それなのに、日本のように祖国を教えない国はない。戦争の悲惨を知り、平和を大切にすることと、祖国を語らない、教えないことは、同じではない。それどころか、平和を護るためにこそ、祖国をしっかり語ることが欠かせないのではないのか?
 著者自身が訪ねた、被災直後の東北、福島第一原発事故現場、硫黄島、沖縄本島白梅の塔等…… それぞれの場所で祖国のために命を捧げた人たちの姿、そしていまも現場でしっかりと生きている人々との邂逅を通じて、浮かび上がってくる祖国像を、著者の導きで考えていく。強く立派に生きた人たち、そしていまも世のため祖国のために生きる人たちの姿は、大きな感動を呼ぶ。
 また「日本には資源がない」という“洗脳”の下、なぜか報道機関がほとんど報じない、祖国を資源大国への道へと導く全国民要注目の「資源」とは何か?



政治でも経済でも日本という国に失望したくなるような昨今、日本国民としての誇りを取り戻すヒントを知りたくて読んでみました。とりわけ政治を見ていると「日本人辞めたろか~。」と思いながらも、「じゃあ、どこの国民になりたいの?」と聞かれると答えに窮するんだから、困ったものです。趣味だけなら、フランス人かイタリア人がいいんだけどね~。とりわけパスタとピザが大好きなので、イタリアは非常に魅力的かも♪
そんな冗談はさておき・・・。
本書は思っていた内容とは違ったものの、祖国を知るということの数例から著者の熱意が伝わってきます。日本国民としての誇り以前に、立っている祖国という足元が固まっていないことに気付きました。私が立っている日本という国には歴史があり、文化があり、天文学的数字の人々の上に存在しているのです。そういった背景に対してあまりに無知でした。知りもしないくせに、表面上だけを見て失望している場合じゃないですよね。本来であれば、そんな誇れる祖国に「なんて事をしてくれたんだ!」と怒るべきところなのでしょう。学ぶことも不可欠、そして微力ながらできることも模索したいと思いました。
by umekononikki | 2012-09-12 16:18 |