展覧会と本と韓国ドラマと時々K-POPかな・・・。

by 梅子

カスティリオーネの庭

f0149664_2023960.jpgカスティリオーネの庭
中野美代子著

清の乾隆帝に宮廷画師として仕えた、イタリア人宣教師ジュゼッペ・カスティリオーネ(中国名=良世寧)。かれが描いた数々の絵画と、北京の離宮につくった西洋庭園をめぐる謎の物語。その庭にかくされた秘密をさぐり、皇帝と宣教師の東西の相克を描く、異色の庭園小説。

絶対的な権力を持った乾隆帝と、宣教師カスティリオーネ。全く異なる二人の持つ文化が、西洋風の庭園に閉じ込められたような神秘。結局は、絶対的な権力を持った皇帝の手のひらでの出来事だったのでしょうか。皇帝の権力の偉大さと、西洋の文化の脅威。この二つの対比のようにも感じられました。宣教師カスティリオーネが、数十年異国で暮らす心情や、権力にひれ伏す心情、出会いと別れ、様々な想いを淡々と語る静けさが良かったです。淡々と時を刻む噴水のように、起きるがままを受け入れる権力以上の精神力を、西洋の文化とともに皇帝は恐れていたのかもしれません。
イタリア人が造った西洋の庭園を、皇帝はどのような思いで見つめていたのかと思いを馳せずにはいられない、しばらくその余韻に浸りたい物語でした。
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by umekononikki | 2012-10-08 20:02 |