展覧会と本と韓国ドラマと時々K-POPかな・・・。

by 梅子

石のハート

f0149664_2081751.jpg石のハート
レナーテ・ドレスタイン著
長山さき訳

家族すべてを失った12歳の少女、エレン。30年近い時を経て、彼女は惨劇のあった家へ舞い戻る。家族とは? 女であることとは? オランダ女性作家渾身の長編小説。

惨劇を通じて、過去の家庭がどれほど温かだったかを感じさせられ、胸が締め付けられる思いです。暖かな家庭が、何が原因で、どのように崩壊の道を歩み、生き残った少女のその後が断片的に語られ、それらの断片全てが少女の人生である重み。何がいけなかったのか、どうにかできたはず。そんな後悔をぶつける対象すらなくなってしまう、起こったことの明確さに対して真実が憶測でしかはかれない、気持ちの支えを根こそぎ全てが奪い去られた少女の悲劇。
抜け道の無いような息苦しさの中でも、ラストはかすかな希望に光が差してきます。少女にとっての家族は、家族以外の何物にも変えがたい大切な場所になったように感じました。
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by umekononikki | 2012-10-16 20:08 |