展覧会と本と韓国ドラマと時々K-POPかな・・・。

by 梅子

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ジャン・ジオノ著
山本省訳

舞台は、美しくも厳しい自然と対峙するフランス高地プロヴァンスの小さな集落。死の床についている長老ジャネはうわごとのように呪詛のことばを繰り返す。自然の異変を感じ取る村人たち。山火事が起こるに及んで、その原因をジャネにもとめるが……。『木を植えた男』で知られるジャン・ジオノの処女作。アンドレ・ジイドが激賞した詩のような物語。

あまりに美しい自然に囲まれた集落が舞台なだけに、度重なる不条理に原因を求めようとする人間の冷酷さまでもが、自然の摂理のように感じました。それだけに印象深い作品でした。これがもし、日本の山間の集落が舞台なら、もっと重苦しくなるんだろうなぁ、なんて想像してしまいます。「丘」ってところが、底抜けに明るい、牧歌的なのどかさを印象付けられ、あの明るいラストに繋がったのでしょうねぇ。限られた登場人物たちの間での、短い物語の中に、自然と人間、両者の複雑な関係を見事に詰め込んだ素晴らしい作品でした。
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by umekononikki | 2012-11-28 13:19 |