展覧会と本と韓国ドラマと時々K-POPかな・・・。

by 梅子

白馬の騎手

f0149664_1522167.jpg白馬の騎手
テオドール・シュトルム著
高橋文子訳

吹き荒ぶ波と風、ドイツの北海沿岸の村で古い習慣と闘い堤内地を造るハウケ。英雄である彼とその家族におとずれる運命とは…。「白馬の騎手」をめぐって民間伝承と緻密なリアリズムで描かれた物語が絡み合う不朽の名作。

「訳者あとがき」にも、優れた文学作品には色々な読み方ができるといったようなことが書いてありましたが、まさにその通りです。一人の人間には様々な面があり、矛盾を含みながらも、一人の人間として成立している不思議を感じます。主人公ハウケは、果たして偉人なのか、怠惰が招いた悲劇の人物なのか、誰の理解も得られない孤独の人物なのかと、読後に振り返るだけでも多くの表情を見せる物語でした。思えば日本の昔話にも、このような要素がありますよね。ただしどちらかというと、余白を持たせて多くのことを想像させるのに対し、この物語では、さまざまな表現で、一人の人物をあらゆる角度から見せてくれます。短いながらも、非常に読み応えのある物語でした。
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by umekononikki | 2012-11-29 15:02 |