展覧会と本と韓国ドラマと時々K-POPかな・・・。

by 梅子

ミドルセックス

f0149664_12423631.jpgミドルセックス
ジェフリー・ユージェニデス著
佐々田雅子訳

デズデモーナとレフティーは姉弟でありながら、深く愛し合っていた。1922年、ギリシャとトルコの戦争で村が壊滅し、二人はいとこ夫婦を頼りにアメリカ、デトロイトへ夫と妻として渡る。やがて、二組の夫婦の子供、ミルトンとテッシーが惹かれ合うようになる。1960年、そこに生まれた待望の女の子がわたし、カリオペだ。車産業が隆盛を誇る街デトロイトで、祖父が始めた食堂を父が繁盛させ、わたしは大事に育てられた。女子高に通うようになったわたしは、自分の体つきに悩み、ある同級生への熱い想いに苦しんでいた。そんなある日、自分がふつうの女の子ではないことを知ったわたしは、激しい衝撃を受け、家族のもとを飛び出すが…。あるギリシャ系一家で紡いできた稀有な歴史を壮大に描く、現代の神話。女と男、二つの性を授かった一人の人間の数奇な運命を描くピュリッツァー賞受賞作。

三代に渡る家族の物語だけに、なかなかの読み応えがありました。しかしそのボリュームもさることながら、瞬く間に読了してしまう面白さでした。タイトルからカリオペの物語かと思いきや、カリオペが語る家族の物語でした。現代の神話というより、三代遡れば「昔話」の世界になりますよね。まぁ、兄弟でありながら愛し合ってしまう辺りは、神話チックではありますが・・・。しかしそれ以降はアメリカで様々な苦労や幸せを感じながらの、ある程度、現実的な内容。カリオペが見ているはずもない過去を語るので、現実的な内容も、そうじゃない内容も、「昔話」を聞くように多少のことはありかなと感じさせられます。そして三代目にして、ようやく登場する二つの性を持ったカリオペ。その二つの性を授かった特異性は薄く、思わず頑張れと応援したくなる成長物語でした。
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by umekononikki | 2012-12-09 12:43 |