展覧会と本と韓国ドラマと時々K-POPかな・・・。

by 梅子

アンデスのリトゥーマ

f0149664_18571970.jpgアンデスのリトゥーマ
マリオ・バルガス=リョサ著
木村榮一訳

苛烈な“人民革命”の嵐吹き荒れるペルー。テロリストの影に怯えながら、荒涼たるアンデス山中に駐屯する伍長リトゥーマと、助手トマスの目の前で、三人の男が消えた。彼らの身に何が起こったのか?壮絶な暴力、無表情なインディオたち、悪霊をあやつる“魔女”―さらに愛すべきトマスの恋愛劇までからめながら、戦慄の結末へと展開する物語は、読者をとらえて離さない。交錯する語りのなかに、古来の迷信と残酷な現実がまじり合う、ノーベル賞作家・バルガス=リョサの世界を堪能できる一作。

三人の男が行方不明になる事件の背景には、テロリストに悪霊にと、とにかく怪しい空気が漂ってます。そんな中、事件の真相に迫るリトゥーマがどこかとぼけた雰囲気で、加えて助手のトマスの純愛物語も絡まり、絶妙な軽快さで迷信とテロリストの闇を物語が突き進む快感。読み終わり内容の凄まじさに気付かされるほど、物語の闇にとりつかれました。それにしてもこのリトゥーマ。鬼気迫る状況下でも、絶妙な抜け感のあるいいキャラクターなのよね。おかげで暗い物語が、なんだか陽気な気分でグイグイ読み進めることができたのよね。ああ、トマスの恋愛物語のおかげもあるかな。そしてあのラスト。陽気な物語じゃなかった現実を思い出させてくれました。面白かったです。
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by umekononikki | 2012-12-11 18:57 |