マルコヴァルドさんの四季
2012年 12月 18日
マルコヴァルドさんの四季
イタロ・カルヴィーノ著
関口英子訳
都会のまんなかに暮らしながらも、心うばわれるのは、季節のおとずれや生きものの気配。大家族を養うため、家と会社のあいだを行き来するマルコヴァルドさんのとっぴな行動とユーモラスな空想の世界が、現代社会のありようを映しだします。
子供にも大人にも読んで欲しい、と言うより読むことのできる魅力溢れる物語でした。マルコヴァルドさんの見つめる先に映っている「何か」がとても新鮮で、とても50年以上も前に書かれたとは思えないほどです。人間社会が求めたり、求められているものの根幹は、いつの時代にも共通しているのかもしれませんね。そもそも人間は、頭の先から足の先まで全て良い要素でできてはいないものです。社会もよりよい方向へ前進しているようで、個人から見ればそうではないことが多いもの。そんな世の中の矛盾と混沌の中で、完璧ではない人間が寄り道したり壁にぶつかったり、時には楽しいこともありと、空想と現実の調和で見事に世界を広げています。幸せな気分にはなりません。しかしイヤな気分にもなりません。ただ前を向いて、日々の生活を送っていこうと、妙な平常心を呼び起こされたような気分になりました。
イタロ・カルヴィーノ著
関口英子訳
都会のまんなかに暮らしながらも、心うばわれるのは、季節のおとずれや生きものの気配。大家族を養うため、家と会社のあいだを行き来するマルコヴァルドさんのとっぴな行動とユーモラスな空想の世界が、現代社会のありようを映しだします。
子供にも大人にも読んで欲しい、と言うより読むことのできる魅力溢れる物語でした。マルコヴァルドさんの見つめる先に映っている「何か」がとても新鮮で、とても50年以上も前に書かれたとは思えないほどです。人間社会が求めたり、求められているものの根幹は、いつの時代にも共通しているのかもしれませんね。そもそも人間は、頭の先から足の先まで全て良い要素でできてはいないものです。社会もよりよい方向へ前進しているようで、個人から見ればそうではないことが多いもの。そんな世の中の矛盾と混沌の中で、完璧ではない人間が寄り道したり壁にぶつかったり、時には楽しいこともありと、空想と現実の調和で見事に世界を広げています。幸せな気分にはなりません。しかしイヤな気分にもなりません。ただ前を向いて、日々の生活を送っていこうと、妙な平常心を呼び起こされたような気分になりました。
by umekononikki
| 2012-12-18 12:49
| 本