展覧会と本と韓国ドラマと時々K-POPかな・・・。

by 梅子

コンスエラ 7つの愛の狂気

f0149664_19193775.jpgコンスエラ
 7つの愛の狂気

ダン・ローズ著
金原瑞人、野沢佳織訳

『コンスエラ』(原題“Don't Tell Me the Truth About Love”)は、「愛」をめぐる七つの寓話が収められた短編集です。しかし「愛」とは言え、いま流行の「純愛」とは真っ向から対立。ダン・ローズが紡ぐ愛のエピソードは残酷で滑稽で皮肉で、ときにグロテスクでさえあります。「アンデルセンではなくグリムの世界を、恐怖とユーモアをまじえて、現代に再現したような短編集とでもいえばいいだろうか」とは、訳者金原瑞人氏の言葉ですが、読者は描かれた愛の不条理に面喰いながらも、ダン・ローズの圧倒的な筆力によって、いつしかその独特な世界観に引き込まれてしまうはずです。

かなり好みな作品。印象的だったのはやはり表題作「コンスエラ」。あとは「カロリング朝時代」かな。「愛」という眼に見えない人間を支配する感情には恐ろしさと幸せの矛盾した両面を持ち、ゆえに傍から見ればたまらなく理不尽なんだけど、当人は必ずしもそう感じてはいないズレがあります。そのズレが、これでもかと巨大化され圧倒されました。嬉しさや悲しさは他者からみても比較的理解し易い感情ですが、この人を愛する感情は「愛する」という感情の豊かさは理解できても、「なぜこの相手?」と日常生活でも疑問符がよく付くもの。嬉しければ笑い、悲しければ泣くのでしょうが、愛に関してその表現は千差万別。考えれば考えるほど「愛」って感情は不思議な感情なんですね。
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by umekononikki | 2012-12-20 19:20 |