展覧会と本と韓国ドラマと時々K-POPかな・・・。

by 梅子

巨匠とマルガリータ

f0149664_1851922.jpg巨匠とマルガリータ
(池澤夏樹=個人編集 世界文学全集 1-5)
ミハイル・A・ブルガーコフ 著
水野 忠夫 訳

焼けつくほどの異常な太陽に照らされた春のモスクワに、悪魔ヴォランドの一味が降臨し、作家協会議長ベルリオーズは彼の予告通りに首を切断される。やがて、町のアパートに棲みついた悪魔の面々は、不可思議な力を発揮してモスクワ中を恐怖に陥れていく。黒魔術のショー、しゃべる猫、偽のルーブル紙幣、裸の魔女、悪魔の大舞踏会。4日間の混乱ののち、多くの痕跡は炎に呑みこまれ、そして灰の中から〈巨匠〉の物語が奇跡のように蘇る……。SF、ミステリ、コミック、演劇、さまざまなジャンルの魅力が混淆するシュールでリアルな大長編。ローリング・ストーンズ「悪魔を憐れむ歌」にインスピレーションを与え、20世紀最高のロシア語文学と評される究極の奇想小説、全面改訳決定版!

あまりの奇想天外ぶりに、「私は一体何を読んだんだぁ~。」と、読後すぐには感想が出てきませんでした。悪魔ヴォランドに魔法を掛けられ、荒唐無稽の世界に翻弄されながら、最後にはなんだか満たされた気分になり、気がつけば物語りは幕を閉じていました。とにかく悪魔ヴォランドが子供が無邪気に遊ぶかのように世の中を引っ掻き回すんですから、ぼーっとしていると物語から振り落とされそうで必死(夢中)に物語の世界に張り付いてました。そうなだけにラストの純愛振りには、これまでの残酷さや醜悪さはどこへやら、妙に満たされた思いに、戸惑いつつも物語が終わってしまうんですから。ああ、とんでもないものを読んじゃったぞ~ってな気分に呆然と本を閉じました。なるほど解説を読むと、物語を読み解くヒントがありますが、それも冷静になってから振り返りなるほどなと感じました。魔法を掛けられた箱を開けてしまい、それを閉じた後に事の重大さに気付かされたような読後感。面白かったです。
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by umekononikki | 2012-12-28 18:05 |