展覧会と本と韓国ドラマと時々K-POPかな・・・。

by 梅子

祖母の手帖

f0149664_16384848.jpg祖母の手帖
ミレーナ・アグス著
中嶋浩郎訳

1950年秋。サルデーニャ島から初めて本土に渡った祖母は、「石の痛み」にみちびかれて「帰還兵」と出会い、恋に落ちる。いっぽう、互いにベッドの反対側で決して触れずに眠りながらも、夫である祖父には売春宿のサービスを執り行う。狂気ともみまごう人生の奇異。孫娘に祖母が語った禁断の愛の物語。遺された手帖と一通の手紙が、語られなかった真実をあきらかにする。ストイックさとエロティックさが入り混じった不可解な愛のゆくえと、ひとにとっての「書く」という行為の気高さをゆったりとした語り口で描きだす奥行きの深い物語。

月並みですが、様々な愛の形があるのだなと。そんな愛に満たされた良質な物語でした。人それぞれに愛し方が違い、人それぞれに愛されたかも違います。だからこそ、ぴったり当てはまったときには激しく燃え、違うからこそ気付かれない愛もあります。そんな愛の両面が、静謐に描かれています。「愛」という言葉も普段なら照れくさくてあまり使いませんが、この物語を読んだ後では照れも吹き飛ぶ豊かさを感じています。長くは無い物語ですが、奥行きのある愛があります。これは、かなり好みかも。
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by umekononikki | 2013-01-30 16:39 |