展覧会と本と韓国ドラマと時々K-POPかな・・・。

by 梅子

火を熾す

f0149664_15464241.jpg火を熾す
ジャック・ロンドン著
柴田元幸訳

Coyote誌上で連載中の「柴田元幸翻訳叢書」、その単行本化第一弾はジャック・ロンドン。『白い牙』『野生の呼び声』の著者として名高いロンドンは、短篇小説の名手でもある。極寒の荒野での人と狼のサバイバル「生への執着」、マウイに伝わる民話をモチーフにした「水の子」、訳し下ろし「世界が若かったとき」など、小説の面白さが存分に味わえる全9篇を収録。

一話ごとに登場人物に心をつかまれ、短編集ながら、長い物語を読んだ様な充実感を得ました。好みを選ぼうにも、どの物語も良く悩んでしまうのですが、やはり最初に読んだ「火を熾す」は衝撃的でした。短編というと、ウイットの効いた小洒落た感の強いイメージでしたが、見事にひっくり返りました。生死がテーマでも、ドライで、尚且つ奥深い。考えてみれば、人間生まれれば当然死ぬんですから。生きている限りは、生きたいと思うことも当然。そして強いものが勝ち、時間が流れると人は老いるもの当然。極々、当たり前のことですが、そんな出来事に大きな感情の波がついて回るから、人間が生きるって事はドラマチックなんですよね。ドライな物語から、読んでいる私が感情的な盛り上がりを感じてしまいました。大阪から名古屋への移動中に読んだのですが、お陰で時間を忘れることができました。面白かったです。
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by umekononikki | 2013-03-20 15:47 |